2011年08月04日

井戸茶碗の釉薬再考

ピカピカじゃない。うす膜のはったような釉薬。
しかも梅華皮がでる。
韓国の頭洞里で、多くの陶片を毎日手にとり眺めつつ、
粉青沙器の釉薬のテカリのない、あの独特の釉薬の原料が水乙土によるものだと知ってから、
風化長石なら、ピカピカにならない釉薬になるかな?と再考してみたり、
今日は、実際に韓国で掘ってきた三白土を単味で釉薬にしたテストをしようと考えた。

sanpakudoyu.jpg

ピカピカにならない、しっとりとした釉肌。油揚手とも呼ばれる井戸茶碗の釉薬。
多くの陶片の中に、高麗青磁の一つの茶碗が目にとまった。

これは・・・。
IMG_5611.JPG
通常、高麗青磁は釉薬を厚く掛け、胎土の鉄分との反応により、還元焼成で美しい発色が得られるものと考えてきたが、この陶片をまじまじと見ていると他の青磁陶片と違い、薄く掛けられた釉薬自体が、この発色をしているように見える。何か、そういう釉石、あるいは土があるのだろうと考えた。水乙土の鉄分の含まれて黄色いものは、青磁に使うとも学んできた。

その発想の中から、胎土と同じ土(石)を釉薬にも用いているのではないか?と私の思考は進んでいった。
古唐津の焼き物について、非常に興味ふかい、示唆に富んだサイトを見つけた。古唐津の道園も、韓国の陶工が当地で焼き物を焼いた場所だ。一部引用して紹介させていただく。

道園の陶土と釉薬が解ったのは、偶然の事からである。道園窯跡の横を、細い溝と云うほどの水の流れが、二百メートルほど下の小川に注いでいる。その接点になっている所に、山から迫り出した岩がある。何気なくその岩を見ていたら、その一部分が崩れ落ちていた。黒い岩だと思っていたのは、表面を覆っている苔のせいで、白い岩だと気がついた。手にとって見ると、砂岩の様でもあり頁岩の様でもある。とりあえず持って帰り、乳鉢で擂り潰してみると粘土の様になる。そこで残りの岩をボ―ルミルに入れて微粉砕し、促成の陶土を作った。轆轤にかけると、どうにか成型できる。乾燥を待って試験焼きをしてみた。焼き上がった物は、今までに無く道園の陶片に似ている。急いで耐火度試験をして、SK一九番である事を確かめた。やはり古唐津を作った原料は窯の傍にあった。しかしその原料は、粘土状では無かったのである。陶石とも言える形状であれば、古唐津の陶土原料は、粘土状で産出すると思っているので、探しだすことが出来なかったのである。その陶土に灰を混ぜて釉薬とし、SK九番で焼いてみた。陶片と寸分違わぬ釉面をしている。釉薬も別に長石など使ったのでは無く、胎土その物であった。
http://itohya.tripod.com/karktsuyaki.htm

さて、こちらは井戸茶碗の枇杷色のために用いようと決めた原土の画像です。
原土を篩い通ししている時、土の塊りをポコッと割ったら、こんな美しい紫色の発色部分が見つかりました。このまま焼成して、紫色の部分がどのように発色するのかテストしてみようと思っています。
gendo1108.jpg
posted by 丸山 陶李 at 19:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 井戸茶碗
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