2011年07月11日

井戸茶碗の故郷を訪ねて[2]

7月8日、井戸茶碗や熊川陶磁の土や釉薬原料がすべて採取された宝賠山(ぼうばいさん)に登った。
宝賠山は、広く繋がる大きな山で、そのカオリン鉱脈も頭洞里の井戸茶碗古窯址まで続いている。
山の上に行くほど純粋な成分で風化もすすんでいない鉱物だと案内してくださった崔熊鐸先生に伺った。
さて「井戸茶碗の故郷を訪ねて[2]では、宝賠山で土を採取した時の写真を何枚か紹介させていただきます。

宝賠山
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頭洞里の熊川陶磁資料館を望む。山々は宝賠山、いくつもの山が続いている。
写真、右下に頭洞里古窯址がある。
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この山の三白土の、白い部分のカオリンと赤い部分のカオリンを混ぜて、枇杷色を呈する胎土が用いられてきており、その白土、赤土、黄色土の混ぜ具合によって、また採取された場所によって様々な胎土の色が現れる。

掘り出した三白土
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当日、掘ってきた土は、山の麓の風化の進んだ部分であるが、美濃のモグサ土に似ている。
掘り上げた三白土や赤いカオリンなど、原材料となる石(土)は、何年も風雨にさらし、篩い通しされ、可塑性を増し初めて粘土として用いられる。

宝賠山の土を採取した場所
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スコップで掘った跡
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掘り出した土
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赤いカオリン(左)と三白土(右)これらを混ぜて井戸茶碗の枇杷色の胎土が作られている。
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宝賠山の麓の桔梗畑、美しく咲いていた。根が薬に用いられる。
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崔先生の土や釉薬は、庭に大きなタンクをいくつも置いて、掘り上げ、篩い通しした土や釉薬を何年も雨水にさらしている。何年も、タンクの中で風雨にさらされた土は、粘りがあり、良い土や釉薬にする秘訣は、雨水にあると仰っていた。

昔から、雨が降ると陶工たちは喜んだそうだ。「雨」がよりよい土や釉薬に変化させてくれると信じていたからだ。日本でも「孫子の代まで土を残す」と言われるが、やはり風雨にさらして寝かせた土は熟成し、轆轤を挽くにも、何年も寝かせた土は、轆轤技術が向上したかのように思い違いするほど扱い易く可塑性に富んだ土へと変化する。

釉薬に使用される水乙土は、晋州の産のものが良いとのことだったが、晋州といえばカオリンの有名な産地でもある。ある陶芸家は、あまり知られていないが、慶州に産するカオリンが一番だと、書いていたのを拝読したことがある。

黒高麗(黒天目)に用いられてきた石。頭洞里古窯の小川脇で。手で簡単に割れる。
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庭で風雨にさらされていた黒高麗の釉石。600度で仮焼し、砕き、メッシュを通して使われる。
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頭洞里の素焼き陶片
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頭洞里の陶片
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posted by 丸山 陶李 at 15:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 井戸茶碗
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