2011年05月22日

聞慶窯・千漢鳳先生「高麗茶碗」再現に生きる

Mungyeong potter Doncheon "Chun, Han Bong" His Life!

十数年前、私は茶道の先生のご紹介で、千漢鳳先生の札幌展示会に伺った。
その時、「いつか先生の窯場に伺わせて勉強させてください。」と申し上げると、
先生は、ご自分の名刺をお出しになり、
「せっかく来ても、留守にしていたら申し訳ないから、来る時には、ここに電話してください。」とおっしゃった。
いつか伺おうと願いながら、月日は流れて言った。

今年「聞慶伝統茶碗祭り」に招待され、私は千漢鳳先生と再会した。
先生から直接招待されたのではないが、ご縁を感じた。
聞慶ではTV局や大学からインタビューを数回受けたが、私は特に李朝の粉青沙器の美しさ、
高麗青磁の美しさについて語らせていただいた。

高麗茶碗再現にかけた一生と言っても過言ではないだろう。
千漢鳳先生は、日本に生まれ、国宝「喜左衛門」に感動し故郷の聞慶に帰国してから、サバルと高麗茶碗を中心に作陶し続けてこられた。
「いまだに心を打つ井戸茶碗ができない。」と先生は謙虚に語る。

私のブース(インターナショナル茶碗交流)に会期中何度も足を運んでくださった。
そして、最後の日、午前中皆で先生の陶房を訪問することができた。

あれから十数年、補聴器をつけ、杖をつく先生の姿に歳月の流れを感じた。
同様に私も年を重ねた。
先生の作品展にお邪魔した後、主催者が先生の作陶光景が収められたビデオを拙宅に届けてくださった。
何度も何度も、繰り返し先生の轆轤成形や、釉薬の色、土の作りを拝見し、私は独学の学びを続けてきた。

その先生に再会し、多くの激励をいただいたことが、ことさら嬉しかった。
「日本に帰ったら、あなたの作品のカタログを送ってください。」そう仰ったので、
先日、写真集を先生に送付した。

私の青井戸茶碗をご覧になり、何度も手にとって、
「これを見て、ハッとした。思わずこの茶碗に目がいった。」
「これは大変なことになるかもしれないので、今のうちに買っておいたほうが良い。」これは冗談だろうと思うが(笑)。「聞慶伝統茶碗祭り」の中で「東日本大震災チャリティ・オークション」が開催され、私は二点茶碗を寄付したが、その一点の「枇杷茶碗」を先生のお嬢さん(千慶煕さん・二代陶泉)が落札してくださった。

帰国して先生にご挨拶の連絡を差し上げたが、
今日再び、先生の映像をYoutubeで拝見し、改めて尊敬する師に出会えたことに感動している。
千漢鳳先生は、このたびの東日本大震災にも日本赤十字を通して一千万円の寄付をしてくださった。
そんなこともさりげなく「ヨン様が十億円寄付したのだから、私も一億くらい寄付しなければと思ったけれどね・・・」と仰る。最近は、ペ・ヨンジュンさんが先生の陶房に泊まり込み陶芸修行をなさったとか。

私は、枝葉末節には全く興味がないのだが、千漢鳳先生の高麗茶碗にかける生き方と、温かく分け隔てのないお人柄に深く尊敬の念を抱いている。

2011/5/5 聞慶伝統茶碗祭り会場で
chunsensei.jpg
posted by 丸山 陶李 at 10:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 井戸茶碗
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/45394797
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック